水道の元栓は、家の水の流れを司る、いわばライフラインの心臓部です。その操作は、一見すると単純な作業に見えますが、正しい手順と注意点を守らなければ、水道設備に深刻なダメージを与えてしまう可能性があります。ここでは、水道のプロが実践する、安全を最優先した元栓の開け閉めの全手順を解説します。まず【閉める手順】です。水漏れなどの緊急時、あるいは長期不在にする際に元栓を閉めます。場所(戸建ては屋外、集合住宅は玄関横)を特定したら、形状を確認します。円形のハンドル式なら「時計回り」に、棒状のレバー式なら配管と「直角」になるように、ゆっくりと、しかし確実に止まるまで回します。この時、固くても工具で無理やり回すのは絶対にNGです。配管破損のリスクがあります。閉めた後は、必ず室内の蛇口をひねり、水が完全に止まっていることを確認してください。次に、トラブルが解決した後の【開ける手順】です。ここが最も重要なポイントになります。まず、給湯器のリモコンの電源がオフになっていることを確認します。これは、管内の空気が給湯器に入ることで起こる空焚きや故障を防ぐためです。次に、室内の蛇口(お湯側が望ましい)を少しだけ開けておきます。これは、元栓から入ってくる水の圧力を逃がし、空気や錆を排出するための「逃げ道」を作るためです。そして、いよいよ元栓を開けます。閉める時とは逆に、ハンドル式なら「反時計回り」、レバー式なら配管と「平行」になるように操作しますが、この時の鉄則は「極めてゆっくりと」です。一気に開栓すると、管内の圧力が急上昇して「ウォーターハンマー現象」を引き起こし、配管や給湯器、ウォシュレットなどを衝撃で破損させる危険性があります。10秒くらいかけて、じわじわと開けるイメージで行ってください。元栓を全開にしたら、開けておいた蛇口から、空気や赤水が完全に抜け、きれいな水がスムーズに出るようになるまで、しばらく水を流し続けます。きれいな水が出たら蛇口を閉め、最後に給湯器の電源をオンにして作業完了です。このプロの手順を守るだけで、水道設備へのリスクを最小限に抑えることができます。
プロに学ぶ水道元栓の正しい操作、開け閉めの全手順