日本の冬、特に氷点下を下回るような冷え込みが予想される夜には、給湯器の凍結対策が欠かせません。凍結によって給湯器内部の配管が破裂してしまうと、修理費用は数万円に及ぶこともあります。この凍結対策、いわゆる「水抜き」作業を行う上で最も重要なステップが、給湯器の元栓を閉めることです。元栓がどこにあるか分からなければ、この作業は始まりません。多くの寒冷地向けの給湯器では、本体の下部に並ぶ配管の中で、保温材に厚く包まれた管の途中に元栓が配置されています。水抜きの手順としては、まずリモコンのスイッチを切り、ガスの元栓を閉めた後、この水の元栓をしっかりと時計回りに回して閉じます。その後、キッチンや洗面所のお湯側の蛇口を全開にしても水が出ないことを確認し、さらに給湯器本体にある水抜き栓を開けて、内部に残った水を完全に排出します。この一連の動作の中で、元栓の位置を正確に把握していないと、誤ってガスの栓をいじってしまったり、給湯器へ供給される水を止めきれずに水が溢れ続けたりすることになります。特に北国では、元栓自体が凍りつかないように、地面より深い位置に「水抜栓」と呼ばれる長い棒状のハンドルが設置されていることもあります。これは家の壁際や庭の隅に設置されていることが多く、これを回すことで地下深くで給湯器への水を遮断できます。都市部においても、十年に一度と言われるような大寒波の際には、普段は意識しない元栓の場所を特定する必要に迫られます。雪が降り積もる中で元栓を探すのは非常に困難なため、秋のうちに一度、配管に巻かれた断熱材の状態をチェックしつつ、元栓のレバーがスムーズに動くかを確認しておくことが賢明です。もし、元栓が屋外の露出した場所にあり、何の保護もされていない場合は、タオルを巻いてビニール袋で覆うなどの簡易的な防寒を施すだけでも、凍結のリスクを大幅に下げることができます。給湯器の元栓は、一年中同じ場所で静かに機能していますが、冬という季節においては、その重要性が一段と増すのです。家全体の水道システムを理解し、元栓という急所を掌握しておくことは、寒冷な季節を無事に乗り切るための生活の知恵と言えるでしょう。
冬の凍結対策で知っておきたい給湯器の元栓管理