ゴールデンウィークや年末年始、あるいは長期の出張などで、数日間から数週間にわたって家を留守にする際、多くの人が悩むのが「水道の元栓を閉めていくべきか否か」という問題です。元栓を閉めることには、漏水リスクを遮断できるという大きなメリットがある一方で、いくつかの注意点も存在します。それぞれの利点と欠点を正しく理解し、自分の状況に合わせて判断することが重要です。まず、元栓を閉める最大のメリットは、何と言っても「漏水リスクからの解放」です。たとえ家が新しく、水回りの設備に問題がないと思っていても、給水管や蛇口のパッキンの経年劣化、あるいは地震などの予期せぬ要因によって、いつ水漏れが発生するかは誰にも予測できません。もし不在中に水漏れが発生すれば、自室の床や家財が水浸しになるだけでなく、マンションなどの集合住宅では、階下の部屋にまで甚大な被害を及ぼしてしまう可能性があります。水道の元栓を閉めておけば、家全体の水の供給が物理的に断たれるため、この最悪の事態を100%防ぐことができます。この精神的な安心感は、旅行や出張を心から楽しむための、大きな保険と言えるでしょう。一方で、元栓を閉める際には、いくつかの注意点とデメリットも考慮しなければなりません。最も注意すべきは、寒冷地における冬場の「凍結」です。近年の給湯器や一部の水道管には、外気温が下がると自動でヒーターを作動させたり、少量の水を循環させたりして凍結を防ぐ「凍結防止機能」が備わっていますが、元栓を閉めてしまうと、この機能が正常に働かなくなる可能性があります。また、長期間元栓を閉めていると、トイレのタンクや排水トラップの「封水」が蒸発し、下水の臭いが上がってくることがあります。さらに、冷蔵庫の自動製氷機能や、一部の観葉植物への自動水やり機なども、当然ながら機能しなくなります。これらのメリットとデメリットを天秤にかけ、不在期間の長さや季節、住んでいる地域の気候、そして自宅の設備状況を総合的に判断することが求められます。一般的に、数日程度の不在であれば閉める必要性は低いですが、1週間以上の長期にわたる場合や、古い物件で水回りに不安がある場合は、閉めておいた方が賢明と言えるでしょう。