庭や玄関周りでの水仕事をもっと快適にしたいと考えたとき、真っ先に候補に挙がるのが立水栓の設置工事です。そもそも立水栓とは、地面に埋め込まれた散水栓とは異なり、地上に支柱を立てて蛇口を使いやすい高さに配置した給水設備のことを指します。新築時には標準装備されていることも多いですが、実際に暮らし始めてから「ここに水場があれば便利だったのに」と後悔するケースは少なくありません。リフォームとして立水栓を新設する場合、まず把握しておくべきは工事の全体像と費用の内訳です。一般的な工事費用は、シンプルな製品の設置であれば工事費込みで三万円から六万円程度が相場となりますが、これは既存の配管から近い場所に設置する場合の限定的な価格です。もし配管を数メートル延長したり、地面のコンクリートを削って埋設し直したりする「はつり工事」が発生する場合は、十万円を超えることも珍しくありません。工事の最初の手順は、現状の配管の確認から始まります。地中に埋まっている水道管を探し出し、そこから分岐させて目的の場所まで管を延ばしていくのですが、この際に排水をどう処理するかも重要な検討事項となります。単に植物に水をやるだけであれば排水設備は不要かもしれませんが、手を洗ったりバケツをすすいだりするのであれば、下水へと繋ぐ排水管の敷設工事もセットで行うべきです。排水パンを設置し、そこから適切な勾配をつけて排水管を繋ぐ作業には専門的な技術が求められます。また、製品選びも慎重に行う必要があります。最近の立水栓は非常にデザイン性が高く、アルミ製やステンレス製、あるいはレンガ調や木目調の樹脂製など多岐にわたります。ここで注意したいのは、見た目だけで選ばず、蛇口の数や高さといった実用性を重視することです。例えば、常に散水ホースを繋いでおくのであれば、二口タイプの蛇口が圧倒的に便利です。一方で、冬場の凍結が心配な地域では、不凍機能が付いた製品を選ばなければ、一度の寒波で配管が破裂してしまうリスクがあります。工事を依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取り、配管の埋設深さや仕上げの処理について詳しく説明してくれる信頼できる専門家を選びましょう。水道局の指定工事店であれば、自治体の規定に則った確実な施工が期待できます。立水栓は一度設置すると数十年使い続ける設備であるため、初期費用を抑えることよりも、将来的な使い勝手と耐久性を見据えた計画を立てることが、結果として最も満足度の高いリフォームに繋がります。
立水栓を新設する工事の費用相場と失敗を防ぐ手順